ナンピン&マーチンゲール手法とは?
FX自動売買の世界で「禁断」と呼ばれるロジックがあります。それが ナンピンマーチンゲール手法 です。
ナンピンとは、相場が逆行しても次々とポジションを追加し、平均取得価格を下げることで最終的な反転で利益を狙う手法です。さらにマーチンゲールを組み合わせると、ポジションを追加するたびにロットを倍増させ、わずかな値動きでも利益を確定できるようになります。
わかりました!それでは「ナンピン+マーチン」をゴールドドル(XAUUSD)を例に、ど素人でもイメージできるようにかみ砕いて説明しますね。
1. ナンピンとは?
ナンピンは、逆行して損失が出ても同じ方向にポジションを追加する手法です。
たとえばゴールドドル(XAUUSD)が 2,500ドル のときに買ったとします。
- まず 2,500ドルで1ロット買い
- 価格が下がり 2,480ドル になったら、さらにもう1ロット買い
- さらに下がって 2,460ドル でもう1ロット買い
こうすると「平均購入価格」は次のように下がります。
- 1回目:2,500
- 2回目:2,480
- 3回目:2,460
👉 平均取得価格は 2,480ドル になります。
つまり、最初の2,500に戻らなくても、ちょっと反発して2,480を超えれば全体で利益確定できます。
2. マーチンゲールを組み合わせると?
ナンピンは通常、同じロットで買い増します。
マーチンゲールはここにロット倍増を加えます。
例(最初は0.1ロット):
- 1回目:2,500ドルで 0.1ロット
- 2回目:2,480ドルで 0.2ロット(倍)
- 3回目:2,460ドルで 0.4ロット
この場合、平均取得価格はさらに低く計算され、わずかな反発で一気に利益確定できます。
なぜなら、最後の大きなロット(0.4)が利益を押し上げるからです。
3. 具体的にどう有利なのか?
例えば2,500ドルで買ったのに相場が下がってしまった場合:
- 普通なら「反発して2,500に戻らないとプラスにならない」
- でもナンピンなら「2,480くらいに反発すればOK」
- さらにマーチンを組み合わせると「2,470くらいにちょっと戻るだけで大きな利益になる」
つまり、反発幅が小さくても利益確定できるのが強みです。
4. ただし最大のリスク
- 相場が「戻らない」まま下げ続けたら → ポジションが雪だるま式に増え、口座破綻につながる
- 特にゴールドは一方向に一気に走ることが多いため、ナンピン+マーチンはハイリスク・ハイリターン
✅ まとめると
- ナンピン:買い下がりで平均価格を下げ、ちょっとした反発で逃げられる
- マーチン:ロットを倍増することで、ほんのわずかな反発でも一気にプラス化できる
- ゴールドでの例:2,500 → 2,460まで下げてもナンピン+マーチンなら、たとえ 2,470の小さな戻りでも利益になる
👉 これが「一見すると有利に見える仕組み」ですが、相場が戻らないと破綻するリスクが最大の弱点です。

一見すると「負けない最強の手法」のように思えますが、実際には 破滅的なリスク を孕んでいます。
- 相場が想定以上に逆行した場合、ポジションが雪だるま式に膨れ上がる
- 証拠金を食い尽くし、最終的に強制ロスカットに直結する
- 損切りを前提にしないため「コツコツドカン」で資金を一瞬で失う
このため、ナンピンマーチンを用いたEAは「必ずいつか口座を吹き飛ばす」と言われています。
その為に国内外の投資家から忌み嫌われてきました。短期間では華やかな成績を残すこともありますが、長期的には高確率で資金を失うロジックなのです。
1. ナンピンマーチンの「最大の強み」と「最大の欠点」
強み
- 逆行してもポジションを重ねることで「反転さえすれば利益化できる」
- 含み損を「一時的なもの」として吸収できるため、勝率が非常に高く見える
- 爆発的な資金増加(短期間で残高を数倍にできる可能性)
欠点
- 損切りを行わない → 無限に耐えられず、最終的にロスカットで全損=口座破綻(FX口座残高が0になる」
- エントリー制限なし → 相場が想定以上にトレンド方向へ走ると「ポジション雪だるま式増加」
- 結果として 一定の含み損になった場合に損切りしなければ口座破綻リスクを必ず内包 しているといえる
2. 欠点を改善する方向性
では、「損切りしない」「エントリー無制限」という2つの欠点を改善すればどうなるのか?
改善策1:損切りを入れる
- ATR(ボラティリティ)ベースで強制損切り
- 資金の○%で強制カット
- 一定期間での「最大許容ドローダウン」で強制終了
→ これにより 「必ず破綻するEA」から「高リスク高リターンEA」へ格上げの可能性が高まります。
改善策2:エントリー数を制限する
- ナンピンは最大15回程度以内まで
- マーチン倍率も上限を設ける(倍々ではなく1.1倍~1.5倍など緩和)
- 時間制限(例えば1日のナンピン回数を制限)
→ これにより 「雪だるま化による口座一撃死」を防ぐ
3. これが「爆益型ナンピンマーチン」になり得るのか?
もし 損切りあり + エントリー制限あり のナンピンマーチンを設計できれば:
- 短期的に大きな利益を狙える
- 長期運用でも一定の安定性を確保できる
- 「破綻必至ロジック」ではなく「高収益だがリスク制御型EA」になり得る
ただし、それでも以下は避けられません:
- 相場が「想定外にトレンドを継続」した場合は損切り必須 → その時点でドローダウンは大きい
- エントリー制限を設けると「最後に救済されるはずだった反転を取れない」可能性
つまり 爆益型ナンピンマーチン = 破綻リスクを“先延ばし”しつつ、爆発力を維持するEA という位置づけになります。
4. 結論
- ナンピンマーチンの 最大の強み(高勝率・爆益力) を残しながら
- 最大のリスク(損切りなし・無限エントリー) を制御すれば
👉 「破綻必至」から「ハイリスク・ハイリターン型EA」へ昇格できる。
実際に市販EAや個人開発でも「改良ナンピンマーチン」は存在し、
- ATRやADXでトレンドフィルターを入れる
- 最大ポジション数を5〜15回以内に制限する
- 複利でなく固定ロット運用をベースにする
といった工夫で「爆益型」に近づけています。
次回の記事ではこのタブーとされている口座破綻リスクの高いナンピンマーチンのロジックの最大の欠点をカバーしつつ、最大の長所を生かすMT5のFX自動売買のEAについて書いていきます。
私はEA制作販売を生業にしています立場上、特定のブローカーを奨励することが出来ません。
それは投資助言の資格を有していない為に資金面のアドバイスなども出来ませんし、特定のブローカーを奨励することも出来ません。
しかし多くのユーザー様からのご要望にお応えして、国内FXブローカーで数社、海外FXブローカーで数社での最適化はバックテスト用として試しています。
ブローカーを特定することは出来ない代わりにリクエストの多いブローカーで最適化してバックテスト情報として皆様と共有していきます。
実運用は国内の金融庁から許可されたFXブローカーを奨励していますが、ユーザー様はご自身で国内外のブローカーを選ぶ自由は許されています。
ではまた!次の記事でお会いしましょう!!
EAデザイナー空

補足
現在開発中のEA以下の7つの特徴があります。
- 1「単ポジ・単利運用」
- 2「単ポジ・複利運用」
- 3「ナンピン・単利運用」
- 4「ナンピン・複利運用」
- 5「ナンピン+ピラミッド・単利運用」
- 6「ナンピン+ピラミッド・複利運用」
- 7「重要指標発表を自動回避する機能」
中でも最後の7つ目の重要指標発表を自動回避する機能についての重要性を話しておきます。

ナンピンマーチンの一番の弱点は 「大きな一方向の急変動に耐えられない」 ことです。
特にゴールドドル(XAUUSD)はドルに直結する資産なので、米国の経済指標(例:雇用統計・CPI・FOMC声明)が発表された瞬間に、数十ドル単位で一気に動くことが珍しくありません。
🔥 口座破綻につながる典型例
- 2,500ドルで買い → ナンピン買い下がり → 平均価格を2,480に下げた
- ところが 雇用統計で一瞬にして2,450まで暴落
- 反発する前に証拠金が足りなくなり、強制ロスカット(口座破綻)
この「一撃必殺」が最も起きやすいのが 重要指標の瞬間 です。
🛡️ 指標フィルター付きEAの利点
EAに 重要指標回避機能 を組み込むと:
- 発表の○分前〜○分後はエントリー停止
→ 指標直前の新規ポジションを避けられる - 既存ポジションの追加ナンピンを抑制
→ 「雪だるまロット増加」を防げる - ブローカーのサーバー時間に合わせて調整
- Exness(海外)なら GMT+0 基準
- 外為ファイネスト(国内)なら GMT+9 基準
→ どのブローカーでも正しい時刻でフィルターが働く
結果として、急変動の直撃を避けることができるので、口座破綻リスクを大幅に下げることができます。
✅ つまり、ナンピンマーチンの最大の敵=「急変動(特に指標発表)」
→ そこを 機械的に避けるフィルター付きEA は、普通のナンピンEAよりも 圧倒的に安全性が高い と言えます。
「ナンピンマーチン×指標回避」を考えるときに、MT4では実現困難だったことがMT5では標準機能でできるのは大きな優位性です。
✅ MT4での限界
- ニュース情報を直接扱う関数が存在しない
→ 経済指標カレンダーを取得できず、EAは指標発表を認識できない。 - 回避しようとすると:
- 外部サイトからスクレイピングしてファイルに落とす
- CSV/インジケータを別途用意し、その情報をEAが読み込む
という「力技」が必要だった。
- つまり、開発の手間も運用の安定性も低い。
→ 結果として、重要指標を完全自動で回避するEAはほぼ不可能に近かった。
✅ MT5ならではの強み
MT5には 経済カレンダー機能 が標準搭載されています。
EA(MQL5コード)から次のように使えます👇
代表的な関数
CalendarEventById()CalendarValueHistory()CalendarSubscribe()
これにより、ブローカーが提供する経済指標データにEAが直接アクセス可能になります。
実現できること
- 「FOMC」「米雇用統計」など特定の国・重要度をフィルタリング
→ 例:★3つの指標だけ回避 - 指標発表の何分前から何分後までエントリー禁止を自動化
→ EAが自動で「停止ゾーン」を判断 - ブローカーのサーバー時間と自動同期
→ MT4のように「UTC+何時間?」と毎回調整不要 - 最適化時にもテスト反映可能
→ 過去のバックテストで「実際の経済指標発表を考慮したパフォーマンス」を再現できる
✅ ナンピンマーチン×ニュース回避での意味
- ナンピンマーチンは「普段は小幅反発で利益を積み上げる」けど、
「一撃の大相場で口座破綻」が最大のリスク。 - その「一撃」はほぼ 重要指標発表で起きる。
- MT5なら、EAが自分で経済カレンダーを読み取って「その時間帯は取引停止」にできる。
- これはまさに MT5でしか実現できない安全弁。
✅ まとめ
- MT4:ニュース情報なし → CSVや外部ツール必須 → 実運用は手間・不安定
- MT5:経済カレンダーAPI標準搭載 → EAが指標を自動判定 → 安全性・利便性が大幅UP
- 特に「ナンピンマーチンEA」では 指標直撃を避ける=口座破綻回避 に直結するため、
MT5のニュースフィルター対応はナンピンマーチンにとって生命線といえます。

続きはこちらの記事を参照ください。
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