シリーズ「AIで自作のEAを作る」第2回
AIにEAを作らせるとき、意外と効いてくるのがコードの書き方ではなく作業環境の作り方です。
環境が整っていないと、毎回同じ説明を繰り返すことになります。「このEAはどこまで進んでいたか」「ファイルはどこに置くのか」「前回どのバージョンだったか」——これを毎回伝え直すのは、単純に時間の無駄です。
この記事では、私が実際に使っている環境の組み方を、そのまま公開します。プログラムの知識は要りません。
1. プロジェクトを作り、その中にスレッドを立てる
まず、テーマごとに会話を散らかさないことです。
私は「EA開発」というプロジェクトをひとつ作り、その中に個別のスレッドを立てています。
- 1分足のピラミッディングを検証するスレッド
- BTCUSDで土日に動かすEAを作るスレッド
- 移動平均線を使ったEAの開発スレッド
こうしておくと、プロジェクト単位でルールや前提を共有できます。スレッドを新しく立てても、共通の前提を一から説明し直す必要がありません。
MT4とMT5を両方扱う方なら、そこでプロジェクトを分けるのも手です。私はMT5しか扱わないので、ひとつにまとめています。
2. コンテキストに「必読ルール」と「現況ボード」を置く
プロジェクトには、共有ファイルを置いておける場所があります。ここに2種類のものを置きます。
| 置くもの | 中身 | 書くのは |
|---|---|---|
| 必読ルール | 毎回守ってほしい決まりごと。命名規則、出力形式、禁止事項など | 人間 |
| 現況ボード | いま何がどこまで進んでいるか。最新バージョンが Ver1.19 なのか 1.20 なのか | AI |
ここが分かれ目です。現況ボードはAI自身に書かせます。人間が毎回更新するものではありません。作業が一段落したら「現況を更新して」と言えば、そのとき何をしたかを書き残してくれます。
一方で、できあがったメインルールのファイルを実際にアップロードするのは人間の作業です。ここだけは自動になりません。ファイルを書くところまではAIがやってくれるので、それを受け取って所定の場所に置く、という分担になります。
AIに任せる部分と、人間がやる部分を最初に決めておく。ここが曖昧だと、更新されないまま古い情報が残り続けます。
3. 納品先のフォルダを固定する
AIに何かを作らせると、必ず「どこに置くか」の問題が出ます。指定しなければ、AIが決めた場所に置かれます。
置き場所を指定する手順は簡単です。
- エクスプローラーで、置いてほしいフォルダを開く
- アドレスバーの何もないところをクリックすると、パスが選択状態になる
- Ctrl + C でコピーする
- AIとの会話に貼り付けて「ここに納品物を置いてください」と書く
毎回同じ場所でいいなら、一度きりの指示で終わらせられます。
納品物は毎回このフォルダに置いてください。
C:\Users\(ユーザー名)\Dropbox\(プロジェクト名)\納品
これは毎回のルーチン作業として扱ってください。
「毎回のルーチン作業として扱ってください」——この一文が効きます。都度の指示ではなくルールとして認識されるので、次回以降は言わなくても同じ場所に置かれます。
4. 保管はローカルではなくクラウドに
ここは強く勧めます。作業ファイルはDropboxやGoogleドライブに置いてください。
理由は2つあります。
AIが直接アクセスできる
クラウド上に置いておけば、AIがそのフォルダを読み書きできます。ファイルを毎回添付し直す手間がなくなります。
デバイスをまたいで作業が続く
デスクトップで作り、外出先ではノートパソコン、移動中はスマートフォンから確認する——という使い方ができます。ローカルのハードディスクだけに置いていると、その機械の前を離れた瞬間に作業が止まります。
Dropboxは容量が小さければ無料で使えます。まずは無料の枠で始めて構いません。
このEAも記事も、AIと一緒に作っています。私はプログラマーではありません。MT5のEAもインジケーターも、Claude(AI)と対話しながら作っています。コードが書けなくても、作りたいものを言葉にできれば形になります。無料でも使えるので、同じように「作る側」に回ってみたい方は、こちらから試せます。
https://claude.ai/referral/sWCPCcvVWQ
※紹介リンクです。
5. 料金は「必要になってから上げる」で間に合う
正直な数字を出します。
私は2026年3月に月20ドルのプランから始めました。そして5ヶ月後の8月時点では、月220ドルのMaxプランでないと追いつかなくなっています。Proプランの20倍の利用枠にあたるものです。
この数字だけ見ると身構えると思います。ですが、最初からこれが必要なわけではまったくありません。
| 段階 | 使い方 | 目安 |
|---|---|---|
| まず試す | 無料プランで、作れるかどうかを確かめる | 0円 |
| 続けられそうなら | 有料の入門プランへ。単純なEAならここで足ります | 月20ドル前後 |
| 足りなくなったら | 上位プランへ。私がここに来たのは5ヶ月後です | 必要になってから |
私の使用量が増えたのは、EAの開発と並行して記事や動画の制作までAIにやらせるようになったからです。EAを1つ作ってみるだけなら、この規模はまったく必要ありません。
プランは下げることもできます。「プランを調整」からダウングレードできるので、上げてみて余るようなら戻せばいい話です。
まだ触ったことがない方は、まず無料で試してみてください。移動平均線だけのEAを1つ作るくらいなら、無料の範囲でも十分に感触がつかめます。合わないと思えばやめればいいだけです。
環境構築の順番(チェックリスト)
- クラウドストレージを用意する(Dropbox / Googleドライブ、無料枠でよい)
- その中に、このシリーズ用のフォルダを作る
- AI側にプロジェクトを1つ作る(例:EA開発)
- プロジェクトのコンテキストに「必読ルール」を置く
- 納品先のフォルダパスを伝え、ルーチン作業として認識させる
- テーマごとにスレッドを立てて作業を始める
- 一段落したら「現況を更新して」と伝える
ここまでやってから作り始めると、2本目以降が格段に速くなります。1本目のためではなく、10本目のための準備だと思ってください。
設定のほうは、noteに書きました
この記事は「環境」の話に絞りました。
もうひとつ、環境と同じくらい大事なのがAIへの指示(設定)に何を書くかです。「できないことはできないと言え」「お世辞はいらない」「勝手に作業を切り上げるな」——なぜそう書くに至ったのか、実際に私が書いている設定の中身も含めて、noteのほうに書いています。
AIに「お世辞を言うな」と書いたら、EA作りが進むようになった話(note)
※シリーズの第1回はこちらです。
プログラムが書けない私が、AIと30分で「移動平均線だけのEA」を作った全記録(note)
使用ブローカー
MT5を使うには口座が必要です。私が使っているのはExnessです。口座開設はこちらから。
https://one.exnessonelink.com/a/frbss95cj4
EAの無料配布について
完成品のEAを使ってみたい方は、公式ラインで「GP希望」と書いてコメントください。
お問い合わせ
公式LINE:https://lin.ee/9yDXJ19
メール:ea-designer-kuu@hashibito-llc.com
免責事項
本記事は情報提供および技術解説を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。本記事で紹介する手順やコードは学習用のものであり、収益を保証するものではありません。バックテストの結果は将来の成果を保証しません。FX・CFD取引には元本を割り込むリスクがあります。取引の最終判断はご自身の責任で行ってください。
EA Designer Kuu

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