PW MTFS Ver1.23 新機能解説|「機能を足す」のをやめて軽量化した半裁量ツール

MT5・MT4向けの半裁量ツール「PW MTFS」が Ver1.23(インジケーターは Ver1.09)になりました。この記事では、旧世代のMTFシリーズから何をどう変えたのかを、機能ベースで整理します。

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先に結論を書くと、このバージョンでやったことは「機能を足すのをやめた」ことです。追加を重ねて重くなった旧シリーズを捨て、ゼロから作り直しました。MTF(マルチタイムフレーム)に、シンプルのS。名前がそのまま設計方針を表しています。

なぜ作り直したのか:機能追加が招いた「重さ」

旧MTFシリーズは、バージョンを重ねるごとに機能が増えていきました。フィルターを追加し、エントリー条件の縛りを増やし——そのたびにインジケーターもEAも動作が重くなっていったのです。

  • 機能追加のたびに処理が複雑化し、描画・判定が鈍くなる
  • 重さは自動売買の挙動にも支障を与える
  • 不要な機能を削る改良を続けても、根本的には軽くなりきらない

そこで改良ではなく、ゼロからの再構築を選びました。結果として動作が軽くなり、副産物として自動売買が安定して動くようになっています。

設計の土台:ビル・ウィリアムズの指標群

PWシリーズの名前は、トレーダーのビル・ウィリアムズに由来します。心理学の博士としてキャリアを始め、のちに相場の世界へ入った人物で、「市場は予測するものではなく、構造を読むもの」という考え方でテクニカル分析の常識を書き換えました。

転機は1987年の暴落だったとされます。直線的な統計モデルを離れ、非線形力学(カオス理論)とフラクタル幾何学へ。市場は無秩序に見えて自己相似の構造を持つ——この視点から独自の分析体系が生まれました。

アリゲーター(トレンドの有無を直感的に見る)

期間13/8/5の平滑移動平均を未来方向にずらした3本のラインです。ワニの顎・歯・唇に見立て、「口が開けばトレンド、閉じれば休眠」と直感的に判断させます。

AOとAC(勢いと、その加速度)

AO(オーサム・オシレーター)は中値の5期間SMAと34期間SMAの差で「勢い」を、AC(アクセラレーター・オシレーター)はAOとその5期間SMAの差で「勢いの変化率=加速度」を見ます。

考え方の核は「加速度が落ちてから、勢いが落ち、最後に価格が落ちる」という時間差です。物理学の発想を市場に持ち込み、3層で相場を捉えます。

フラクタル・ゲーター・BW MFI

連続5本のバーが作る反転点(フラクタル)、アリゲーター3本の乖離を数値化するゲーターオシレーター、値幅÷出来高で市場の効率を測るBW MFI。これらはすべてMT4/MT5に「Bill Williams」カテゴリとして標準搭載されています。個人開発者の指標が世界標準のプラットフォームに残った、稀有な例です。

Ver1.23の新機能・変更点

1. UI倍率対応の大型パネル(0.5〜1.5倍)

今回の変更で最も実用的なのがこれです。開発のきっかけは、実際に起きた誤操作でした。

スマートフォンからVPSに接続してトレードする場合、旧MTFシリーズには画面の拡大縮小機能がありませんでした。パネルが小さく、次のようなミスが起こり得ます。

  • Sell(売り)のつもりでBuy(買い)を押してしまう
  • 決済する意図がないのに ALL CLOSE を押してしまう

そこでUI倍率を0.1刻みで変更できるようにしました。パネル上の全ての文字が倍率に追従して拡大縮小します。

環境推奨倍率
スマートフォン(iPhone 13 Pro Max の例)1.5倍
PC1.3倍(表示上の最大)
最小0.5倍(文字表示の都合による下限)

設定した倍率は記憶されます。PCを閉じても、次回起動時は同じ倍率から始まります。また、BuyとSellのボタンには視認性の高い配色を採用し、誤操作を抑制しています。

2. 確定足サイン(リペイントしない)

1分足が形成される途中はサインが出たり消えたりすることがありますが、足が確定した時点でサインも確定します。後から位置が変わったり消えたりする「リペイント」は起こりません。

3. マルチタイムフレーム表示

M1・M5・M15・H1・H4・D1 の各時間足について、直近サインに基づく方向(UP/Down)をパネルに表示します。

たとえば「5分・15分・1時間が下向き、4時間だけ上向き」という状況が一目で分かります。下位足が揃って下を向いているならロングを見送る、あるいは安値の逆張りに限定する——といった戦略判断の目安になります。

4. 内蔵時計

要望を受けて搭載しました。インターネット接続がなくてもPC内蔵の時計と連動して動作するため、時刻確認のために別アプリを併用する必要がありません。

5. 両建て・部分決済の操作性

  • BuyだけClose / SellだけClose の個別決済が可能
  • 比率を変えた建て増し(2対1、3対1など)にも対応
  • リスク%はパネル上で0.1刻みに変更でき、初期値へ戻すボタンも用意
  • 誤発注時も、売り買いのロット数が明示されるため修正しやすい

6. ロット計算方式の変更(重要)

ここは仕様が変わった部分なので、明確に記しておきます。

ロットの決め方
旧バージョン資金に対する割合で決定(例:10万円 → 0.01ロット)
Ver1.23損切りまでの距離をリスクに換算してロットを算出

したがって「資金10万円だから0.01ロット」と単純には決まりません。同じリスク1%でも、損切り幅が狭ければロットは大きく、広ければ小さくなります。リスクを金額ベースで一定に保つための変更です。

自動売買(Autoモード)の仕様

MTFSは基本的に裁量用の半裁量ツールとして開発していますが、自動売買の要望があるためAutoモードを搭載しています。

ここで重要なのが時間足の扱いです。

  • 表示しているチャートの時間足に関係なく、Autoのサイン判定は3分足(M3)
  • トレンド判定の上位足は15分足(M15)
  • 上位足が逆方向の場合、そちら側のエントリーは行わない
  • ポジションは1〜2個まで積み増す設計
  • 決済は固定pipsではなく反対サインで決済(最悪時の損切りは1500pips)

前バージョンとの決定的な違い:数値の決め方

旧バージョンの自動売買設定はフォワードのみで調整していました。インジケーターのサインを見ながら、開発者の感覚に頼って数値を決めていた部分があります。

今回は約2年間のバックテストと最適化を通して数値を選定しています。Autoの判定を3分足・上位15分足に定めたのも、その検証から導かれた設定です。推奨時間足が旧バージョン(1分・5分)から変わったのは、このためです。

運用上の注意点

正直に書いておきます。自動売買は勝つ月も負ける月もあります。

  • 不安な方は、まず裁量用としてサイン表示を活用する
  • 裁量判断が苦手な方は、Autoから始めるのも一つの選択
  • いずれの場合もまずデモ口座で検証する(購入者特典としてデモ口座の利用が可能)

また、サインが出た全ての場面がエントリー好機とは限りません。たとえば価格がアリゲーターと半値の間で推移している局面はトレンドが不明瞭で、開発者自身もエントリーを見送ります。高値が切り下がり続けている日であれば、ロングのサインを無視する判断も必要です。

まとめ|「足す」から「削る」への方針転換

  • 旧MTFシリーズは機能追加により動作が重くなり、自動売買にも影響していた
  • Ver1.23は改良ではなくゼロからの再構築による軽量化を選んだ
  • UI倍率0.5〜1.5倍の大型パネルで、スマホ・タブレット運用時の誤操作を抑制
  • ロット計算を損切り距離ベースに変更し、リスク管理の一貫性を高めた
  • Autoモードの数値は約2年間のバックテストと最適化から選定

ツールは機能が多いほど良いとは限りません。動作の軽さと操作ミスの少なさは、それ自体が実用上の性能です。今回のVer1.23は、その一点に絞った更新になりました。

よくある質問(FAQ)

Q. 既に購入していますが、アップデートは有料ですか?

A. 購入者の方は無償アップデート対応です。現行は EA Ver1.23 / インジケーター Ver1.09 です。これより古いバージョンをお持ちの場合は、メールにて申請してください。

Q. サインはリペイントしませんか?

A. しません。足が確定した時点でサインが確定する仕様です。形成中の足では表示が変動する場合がありますが、確定後に消える・移動することはありません。

Q. Autoモードを使う時、チャートは何分足で表示すべきですか?

A. どの時間足を表示していても構いません。Autoのサイン判定は3分足、トレンド判定は15分足で固定されているためです。表示している足は判定に影響しません。

Q. スマホだけで運用できますか?

A. VPSに接続する形であれば可能です。Ver1.23ではUI倍率を1.5倍まで拡大できるため、スマートフォン画面でもボタンが押しやすくなっています。ただし細かい相場分析はPCやタブレットの方が適しています。

Q. マニュアルは購入前に読めますか?

A. 読めます。LINEオープンチャットでも配布中ですが下記のリンクから無料で入手できます。

購入を検討中の方も、内容を確認したいだけの方もご覧いただけます。


【免責事項】本記事で紹介している検証結果は、過去のバックテストおよびデモ環境での動作確認に基づくものであり、将来の同様の成果を保証するものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。実際の運用は必ずご自身の判断と責任において行ってください。本記事は投資助言を目的としたものではありません。価格・キャンペーン内容は予告なく変更される場合があります。

EAデザイナー空(くう)

EAデザイナー空(くう)と申します。 裁量トレード歴20年。 EA歴17年です。 現在はEA開発販売をメインにインジケーター開発販売や裁量トレード教室なども手掛けております。 EAは国内外のブローカーで使用することができます。 ブローカーやペア通貨を変更するたびに最適化が必要です。

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